十羅刹女 神楽


石見神楽(いわみかぐら)の演目「十羅」(じゅうら)では、彦羽根(ひこはね)という鬼神が対馬に渡ろうとして大時化に遭い、生命からがらたどり着いた。そこに現れたのはスサノオの末子・十羅刹女である。十羅刹女は彦羽根に故国に戻るよう説得するが、彦羽根は聞き入れず戦いとなる、といった粗筋である。



ここでの十羅刹女は仏教に登場する十柱の羅刹女ではなく、スサノオの末子として神仏習合した形で登場する。俗説に十羅刹女はスサノオと龍神の娘が契って生まれた子とするものがある。



島根県石見地方の伝説ではこの十羅刹女を胸鉏比売(むなすきひめ)命としたものがある。