依他起性(えたきしょう)
依他起性(えたきしょう)とは相対的存在であり、構想ではあるが、物事はさまざまな機縁が集合して生起したもの(縁起)であるととらえることである。阿頼耶識をふくむ全ての識の構想ではあるけれども、すでにその識の対象が無であることが明らかとなれば、識が対象と依存関係にあるこの存在もまた空である。
名字は是れ因縁和合の作れる法なり。但だ分別憶想、仮名を説く。
是の故に菩薩摩訶薩、般若波羅蜜を行ずる時、一切の名字を見ず。
見ざるが故に著せず。
— 摩訶般若波羅蜜経奉鉢品第二