秘密集会タントラ 実践 灌頂


チベット密教の灌頂(かんじょう)には、以下の4つがある。



1 瓶灌頂(びょうかんじょう)


- 日本の真言密教と類似のもの。守護尊を決める「投華得仏(とうけとくぶつ)と、金剛杵・金剛鈴・金剛名授与など。


2 秘密灌頂(ひみつかんじょう)※


- 師に「大印」(女性パートナー(主に美しい十六歳の処女))を捧げ、両者の「性的ヨーガ」によって生じた精液・愛液混合物を、自身(弟子)の口内に「菩提心」として投入する。


3 般若智灌頂(はんにゃちかんじょう)※


- 自身(弟子)が「大印」(女性パートナー)と「性的ヨーガ」を行う。(体内に投入された「菩提心」の放出と看做される)射精は禁じられ、「菩提心」を身体の各チャクラに適宜とどめて、歓喜を味わう。


4 語灌頂(ごかんじょう)


- 「言葉の灌頂」、または「記号の灌頂」とも訳される。師僧が儀式の中で弟子に象徴性そのものを直接与える。



(※「大印」(女性パートナー)については、インド及び初期のチベットにおいては実際に性行為が行われていたらしいが、ツォンカパ以降のゲルク派では、「性欲を完全に克服できる段階に達しているなら、実際の女性を相手に実践して構わないが、そうでないなら、あくまでも観想でのみに留めるべきであり、その原則を侵すなら、堕地獄の苦行が待っている」という扱いだという。)



なお、「生起次第」に進むには、1の灌頂が必須とされ、「究竟次第」に進んだり、密教指導者になるためには、2から4の灌頂が必須とされる。