無上瑜伽タントラ 評価


チベット仏教最高の学僧であるプトゥンは、『時輪タントラ』を経典の頂点に位置付けた。しかし、弟子のレンダワは、イスラームの影響を受けた『時輪タントラ』を、仏陀の教えではないと主張した。



その弟子、つまりプトゥンから見て孫弟子に当たり、チベット仏教で最も高名な僧であり、また最大宗派ゲルク派の祖であるツォンカパもまた、『時輪タントラ』を高く評価しなかった。彼は『秘密集会タントラ』を最高の密教経典と評価し、密教に関する著作のほとんどをこの経典の註釈のために費やしている(他には『勝楽タントラ』など)。