「准胝法」の特徴 ③


3.修法に際しては、『准胝鏡』(じゅんていきょう)という特別な法具の鏡を用いる点。



· 金剛智三蔵訳の『仏説七倶胝仏母准提大明陀羅尼経』には、「あるいは清浄で清潔な鏡(准胝鏡)に面して、好ましい花を持って真言を108回唱えて鏡の上に花びらを散らせば、その鏡の中に准胝観音の使者が姿を現し、また更に、花を取って(准胝鏡の)鏡面に散らせば、善悪の諸相である将来の出来事が鏡面に現れる。あるいは、朱砂や香油を親指の甲に塗り、真言を108回唱えれば、天神や仏や菩薩が姿を現し、行者の三世(さんぜ)にわたる疑問や質問に対して、一々答えてくれるので、その善と悪とを知ることが出来る」と説き、不空三蔵訳の『仏説七具胝仏母所説陀羅尼経』には、「もし壇上に明鏡(准胝鏡)を置いて花を持って加持し、真言を108回唱えたならば、鏡面に文字が現れて、その吉凶と善悪を知ることが出来る」と説かれている。