補陀落渡海 琉球における影響


琉球国由来記(りゅうきゅうこくゆらいき)巻十』の「琉球国諸寺旧記序」(りゅうきゅうこくしょじきゅうきじょ)によれば、咸淳(かんじゅん)年間(1265年1274年)に禅鑑(ぜんかん)なる禅師が小那覇港に流れ着いた。禅鑑は補陀落僧であるとだけ言って詳しいことは分からなかったが、時の英祖(えいそ)王は禅鑑の徳を重んじ浦添城(うらそえじょう)の西に補陀落山極楽寺を建立した。「琉球国諸寺旧記序」は、これが琉球における仏教のはじめとしている。また琉球に漂着した日秀(にっしゅう)上人は、現地で熊野信仰及び真言宗の布教活動を行ったり、金武町(きんちょう)金武観音寺(きんかんのんじ)を建立した。