元亨釈書(げんこうしゃくしょ)
元亨釈書(げんこうしゃくしょ)は日本の歴史書。鎌倉時代に漢文体で記した日本初の仏教通史。著者は臨済宗の僧、虎関師錬(こかんしれん。1278年 - 1346年)。全30巻。
1322年(元亨(げんこう)2年)に朝廷に上程されたので、書名に「元亨」が冠せられる。「釈書」は釈、つまり仏の書物。収録年代は、仏教初伝以来、鎌倉後期まで700余年に及び、僧の伝記や仏教史を記す。南北朝時代に大蔵経に所収された。
活字翻刻本としては『大日本仏教全書』本と『国史大系』本がある。注釈本としては江戸期の『元亨釈書和解』が著名。参考書としては『国史大系第31巻 日本高僧伝要文抄・元亨釈書』(丸山二郎(まるやま じろう)校注、吉川弘文館)等がある。
構成
内容的に「五格」(五つの方式)に分類されている。すなわち「伝・賛・論・表・志」と師錬はのべているが、その構成面からみると「伝」「表」「志」の三つに分類される。「賛・論」は「伝」の付属と見るのが一般的。
· 巻01 - 巻19 僧俗伝記部 (400名余りの道俗の伝記)
· 巻20 - 巻26 資治表部 (編年の仏教史)
· 巻27 - 巻30 志部 (10分類による各類史)