五山(ござん)
1 五山制度(ござんせいど)とは、中国・日本における寺格の一つ。日本においては、主に臨済宗の制度であった。上位より、五山・十刹(じっせつ、じっさつ)・諸山(しょざん)・林下(りんか)に区分された。
2 日本画五山(にほんがござん)とは、東山魁夷(ひがしやま かいい)、杉山寧(すぎやま やすし)、加山又造(かやま またぞう)、高山辰雄(たかやま たつお)、平山郁夫(ひやらま いくお)の5人の日本画家の総称。
以下、1.について記す。
もとは南宋の寧宗(ねいそう)がインドの5精舎10塔所(天竺五精舎)の故事に倣って径山寺(きんざんじ)・霊隠寺(れいいんじ、りんにんじ)・天童寺(てんどうじ)・浄慈寺(じょうじじ、じんずじ)・阿育王寺(あしょかおうじ)の5寺を「五山」として保護を与えたのが由来と言われている。鎌倉時代後期には日本にも禅宗の普及に伴って広まるようになり、正安(しょうあん)元年(1299年)には鎌倉幕府執権 北条定時(さだとき)が浄智寺(じょうちじ)を「五山」とするように命じたのが日本における最古と伝わる。