タンカ 画題
タンカを初めとするチベットの仏教画は、仏教理論に基づいて題材、構成と幾何学的配置が決められる。仏教画は仏教と共に7世紀頃にインドから伝わったものと考えられ、初期の作品は必ずしも現代のチベット美術様式と一致しないが、現存するチベットのタンカのほとんどは14~15世紀以降の作であり、チベットの仏教画は15世紀に一応の完成を見せているため、結果として現存するほとんどの仏教画が現代のチベット美術様式とほぼ一致している。
タンカの起源ははっきりしない。タンカの起源と思われる絵画のほとんどは失われてしまっているが、8世紀末から9世紀半ばまでチベット民族の吐蕃(とばん)に支配されていた敦煌(とんこう)からチベット仏教に関する絵画がいくつか見つかっており、それがタンカの源流の一つと考えられている。
タンカは目的に応じ、曼荼羅、ツォクシン、その他の形で描かれる。その他の形としては、ラマなどの偉人、仏陀など仏教上の神や人物、仏法について描かれることが多い。チベット医学の解説もタンカで残されている。
曼荼羅は幾何学模様の中に人物や物体を描いた絵で、描かれた物に想や行など仏教の抽象的概念を意味付けしたものである。ツォクシンは中心人物とその関連人物との関係を樹木のように並べて描いたものである。その他の絵の多くは、中心に主題となる人物を書いたもので、その周りに関連する人物やその人物にまつわる物語などが書かれることもある。
チベットの仏教画製作は、15世紀に無名の職人から名のある画家によるものへと代わっていき、形式も時代が下ると共に厳密化していった。