往相回向(おうそうえこう)



往相回向(おうそうえこう)とは、浄土真宗の重要な教義で、還相廻向(げんそうえこう)に対する言葉である。中国の曇鸞(どんらん)の主著『浄土論註往生論註) 』のなかに、


自分の行じた善行功徳をもって他の人に及ぼし、自分と他人と一緒に弥陀の浄土に往生できるようにと願うこと


が往相回向であるとする。


親鸞は、往相回向も還相回向もともに、阿弥陀仏によって回向(えこう)された他力によるものであるとして、自分の力をたのんで善行功徳を行じる自力を排し、すべてが阿弥陀仏の本願力によるものであるとした。