六巻抄 当家三衣抄
とうけさんねしょう。享保10年(1725年)6月中旬再治。三衣(法衣・袈裟・数珠)について述べている。
法衣・袈裟
素絹五条を用いる理由として、
· 末法の下位を表す(ひいては教えが実であることを表す)
· 末法折伏の修行に便利
の2点をあげている。
衣色に薄墨を用いる理由として、
· 名字即(みょうじそく)の位を表す
· 金襴豪華な他宗僧侶と、見た目で容易に区別できる
· 標幟(はたのぼり)を明示し、順縁あるいは逆縁を結ぶ
· 見た目で容易に自宗僧侶とわかることによって、非行を自制できる(見た目で何宗か区別のつかない僧侶がやりたい放題し、しかも似たような格好をする他の宗派にその罪を着せている。しかし、薄墨だと違いがはっきりしていて紛らわしくなく、名乗らなくても見た目で誰でも区別がつく。)
の4点をあげている。
白袈裟を用いる理由として
· 理即の位を表す
· 日蓮が着用していた時期がある
· 白蓮華を表す
o 薄墨衣の上に白袈裟を架けた状態を、泥水の白蓮華に擬し、当体の蓮華を表す
o 薄墨衣の上に白袈裟を架けた状態を、泥濁りの中にいても泥濁りに染まらない様子と擬し、世法に染まらないことを表す
や、
· 日本の俗人は喪服を除いて白色の服を着ないため、俗人と区別できる
· 白色は清浄・無染であり、白法流布の様相を表す
ほかをあげている。
数珠
数珠とは下根を引接し修業を継続できるようにする法具である、とする。また、三宝(【仏宝】日蓮・【法宝】本門の本尊・【僧宝】日興以来歴代法主)を一心に念じて、南無妙法蓮華経と称(とな)えるときに身に随(したが)える法具である、とも述べている。