釈迦本仏論(しゃかほんぶつろん)


日蓮宗法華宗下の教義のひとつ。上述の日蓮本仏論と対立する。法華経の如来寿量品第十六の文中に無量長寿の釈迦牟尼仏が登場するが、この釈迦牟尼仏こそ本仏であるという教義。




· この本仏としての釈迦牟尼仏は久遠仏ないしは久遠実成本仏とも呼ばれ、無量の諸仏はこの本仏の迹仏とされる。



· 大乗仏教経典には十方の仏をはじめ、現在過去未来の無量の諸仏が登場するが、すべて本仏釈迦牟尼仏コピーに過ぎず、単なる迹仏とされる。



· この本仏と、紀元前ユーラシア大陸のインドに生まれて肉体を持ち八十年生きたと言うゴータマ・シッダルタ(釈迦)とは、論者によっては同体とされないこともあるが、ユーラシア大陸に生まれたゴータマ・シッダルタ(釈迦)の精神とも言える存在だとされる。この論では、日蓮は仏弟子であり、本仏ではないことになる。