顕本法華宗 教義


釈尊本仏とし、宗祖・日蓮大聖人の表した十界互具(じっかいごぐ)曼荼羅本尊とする。法華経については勝劣派の立場である。また『経巻相承・直授日蓮(きょうがんそうじょう・じきじゅにちれん。法華経・御書から直接教えを乞う)』という日什以来の理念を受け継いでいる。過去に上総七里法華(かずさしちりほっけ)などで土着化した信仰と結びついて薬師如来大黒天鬼子母神本尊に祀っていた反省から、明治時代に管長になり、以後近代の日蓮仏教史に名を馳せた本多日生によって釈尊中心のあるべき本来の信仰体系を確立した。日蓮宗などでは現在も上記のような本尊の雑乱が起こっているとして、そうした寺院への批判的な立場を維持している。