日本の天台宗 四宗兼学(ししゅうけんがく)


また上記の事項から、同じ天台宗といっても、智顗が確立した法華経に依る中国の天台宗とは違い、最澄が開いた日本の天台宗は、智顗の説を受け継ぎ法華経を中心としつつも、禅や戒、念仏、密教の要素も含み、したがって延暦寺は四宗兼学の道場とも呼ばれている。井沢元彦(いざわ もとひこ)はわかりやすい比喩として、密教の単科大学であった金剛峰寺に対して、延暦寺は仏教総合大学であったと解説している。