追説追泯(ついせつついみん)


追説追泯(ついせつついみん)とは、仏教において、天台宗日蓮宗などの法華一乗の立場から、『涅槃経』を指した語をいう。意味は、一度終った説法をさらに立ち戻って説いて、またさらに融泯(ゆうみん)すること。天台大師智顗が判じた。

「追説」とは、『法華経』の会座(えざ)にいなかった(漏れて覚れなかった)人たちのために、華厳・阿含・方等(ほうどう)・般若の小大乗の方便の教えを、『法華経』の意義を含みつつも、さらにもう一度方便の教えを説くことをいう。



「追泯」とは、『涅槃経』は『法華経』を説いた後なので、ただ方便教を説いただけではなく、『法華経』の意義をもって真実の仏性常住を説いた。これは追って説いたものを、また追ってその大小乗の教えや方便と真実という差別を泯(ほろぼ)すことをいう。