三身(さんじん、さんしん)
三身(さんじん、または さんしん、梵:trikaya)は、大乗仏教における、仏の3種類の身のあり方(法身・報身・応身)で、仏心観の一種である。三身説。
『十地経論』巻3には「一切の仏に三種の仏あり。一に応身(おうじん)仏、二に報身(ほうじん)仏、三に法身(ほっしん)仏なり」とある。通常はこの三身説がよく用いられる。
三身が具現していることを、三身即一、あるいは三身円満などという。
歴史
4世紀頃までの中期大乗仏教では、法身(永遠身)と色身(しきしん、現実身とも)の二身説だけであったが、5世紀頃までにはその本質永遠性と現実即応の関連づけ、すなわち統一が問題となり、それが仏身論に及び、法身と色身(応身)を合せた報身が立てられ、三身説が成立した。中国や日本の仏教では、この三身のどれ
を表として立てるかで議論が起こった。
しかし後に仏の身は本来分かつべきでなく、どれも具わっていると考えられるようになり、三身即一身(三身即一などとも)という説が立てられた。