ムチャリンダ

ムチャリンダMucalinda, Mucilinda)は、インド神話に登場するナーガラージャの一人。 仏教のとある話では、ブッダに帰依したとされる。



ある時、ブッダはとある菩提樹の木の下で瞑想をしたが、そこにはムチャリンダが棲んでいた。 ムチャリンダはブッダの偉大さに気づき、静かに見守り続けた。 やがて激しい嵐が起こると、ムチャリンダは自らの体を7回巻きにブッダに巻きつけ、 約7日間に渡り雨風から守り続けた。 その後、人間の姿になり、ブッダに帰依したといわれる。


日本におけるムチャリンダ(竜王)の存在は、専ら禅宗系の寺院や塔中(たっちゅう)などの法堂の天井絵に、禅の修行をする者の守護者として数多く描かれている。京都妙心寺の法堂天井に描かれている狩野探幽(かのう たんゆう)作『雲龍図』(重要文化財)などが有名である。