リグ・ヴェーダ 内容
中核となっているのは2巻から7巻で、祭官家の家集的な性質を持つ。第1巻と第8巻は内容的に類似し、2巻~7巻の前後に追加された部分と考えられる。9巻はこれらとは大きく異なり、神酒ソーマに関する讃歌が独占している。10巻は『リグ・ヴェーダ』の中で最も新しい部分とされる。 讃歌の対象となった神格の数は非常に多く、原則として神格相互のあいだには一定の序列や組織はなく、多数の神々は交互に最上級の賛辞を受けている。しかし、他方でリグ・ヴェーダの終末期には宇宙創造に関する讃歌を持つにいたり、ウパニシャッド哲学の萌芽ともいうべき帰一思想が断片的に散在している。
後期ヴェーダ時代(紀元前1000年頃より紀元前600年頃まで)に続くヴェーダとして『サーマ・ヴェーダ・『ヤジュル・ヴェーダ』・『アタルヴァ・ヴェーダ』の三つが編纂される。付属文典として『ブラーフマナ』(『祭儀書』)、『アーラニヤカ』(『森林書』)、『ウパニシャッド』(『奥儀書』)が著された。