その他の国の密教


密教は韓国越南(ベトナム)など漢字文化圏の国々中心に広がっている。このほか、モンゴルでは中世のモンゴル帝国でチベット仏教が国教であった流れから、現在もチベット密教の信仰が続いている。 また、カンボジアのアンコール王朝にも密教は伝来しており、密教で用いられる祭具や、特にヘーヴァジュラを象った銅像や祭具が出土している。


また、欧米での展開も起きている。 チベットにおける1950-51年のチベット侵攻から1959年のチベット動乱という大混乱の後は、ダライ・ラマ14世をはじめとする多くのチベット僧がチベット国外へと出て活動したことにより、ヨーロッパや米国で広範囲に布教がなされるようになり、欧米の思想界にもさまざまな影響を与えることになった。アメリカ合衆国ニューヨークでは、ダライ・ラマ14世と親交のあるロバート・サーマンにより1987年にチベットハウスが設立・運営され、チベット密教も含めチベットの思想や文化が広報されている。現在は欧米諸国で Esoteric Buddhism と言う場合には、主にチベット密教のことを指している。