台湾の仏教 沿革 台湾での起源
清朝の治世下、大陸ではチベット仏教が大いに奨励され、福建省南部、広東省東部では仏教を吸収して派生した道教 閭山(りょざん)派のほか、当地の習俗に合う仏教が現れるなど、信仰形態に変革が発生した。また、この時代の漢民族による主な信仰対象は、観音菩薩であった。
18世紀後半には観音菩薩を本尊とする寺院が漳泉、及び漳泉の住民が移民した台湾の地域に相次いで建立された。
この際に建立された寺院の中では、現地語で「巌仔」と呼ぶ山寺が最も多く、代表的な物として、1752年建立の芝山巌、1791年建立の寶蔵巌などがある。
山寺以外に観音菩薩を祀った寺院としては、寺(大廟)、宮、閣、堂(村廟)、壇、庵、巌(山の麓の寺院)などの種類がある。
また、この当時の仏教と道教との密接な関係を示すものとして、道観(どうかん)が建立された際に、道教の神像のほかに、観音菩薩や釈迦も祀られている。