五蘊(ごうん)
五蘊(ごうん、巴: pañcak-khandha, パンチャッカンダ、梵: पञ्च स्कन्ध , pañca-skandha, パンチャ・スカンダ)とは、部派仏教における一切法の分類である三科(さんか。五蘊・十二処・十八界)の中の第一。蘊とは集まりを意味し、色・受・想・行・色(しき・じゅ・そう・ぎょう・しき)の5つを通して、ものごとの認識が起こるとされる。
5つの蘊
蘊(巴: khandha, カンダ、梵: स्कन्ध , skandha, スカンダ) とは、「集まり」の意味で、五蘊とは人間の肉体と精神を五つの集まりに分けて示したものである。この五蘊が集合して仮設されたものが人間であるとして、五蘊仮和合(ごうんけわごう)と説く。これによって五蘊(=人間)の無我を表そうとした。
なお、旧訳では五陰(ごおん)五衆(ごしゅ)といい、特に煩悩(ぼんのう)に伴われた有漏(うろ)の五蘊を五取蘊(ごしゅうん、pañcopādāna skandha)ともいう。
内容
五蘊は次の5種である。
· 色蘊(しきうん、rūpa) - 人間の肉体を意味したが、後にはすべての物質も含んで言われるようになった。
· 受蘊(じゅうん、vedanā) - 感受作用
· 想蘊(そううん、saṃjñā) - 表象作用
· 行蘊(ぎょううん、saṃskāra) - 意志作用
· 識蘊(しきうん、vijñāna) - 認識作用