シキミ 名称に関して
地方によりシキビ、ハナノキ(カエデ科にも別にハナノキがある)、ハナシバなどともいう。学名にはリンネが命名したIllicium anisatum L.と、シーボルト「が命名したI. religiosum Sieb. et Zucc.("religiosum"は「宗教的な」という意味)が存在するが、リンネのものが有効となっている。
シキミの語源は、四季とおして美しいことから「しきみ しきび」となったと言う説、また実の形から「敷き実」、あるいは有毒なので「悪しき実」からともいわれる。日本特有の香木とされるが、『真俗仏事論』2には供物儀を引いて、「樒の実はもと天竺より来れり。本邦へは鑑真和上の請来なり。その形天竺無熱池の青蓮華に似たり、故に之を取りて仏に供す」とあり、一説に鑑真がもたらしたとも言われる。
中国では莽草(ピン音:mǎngcǎo)、厳密には日本莽草(ピン音:rìběn mǎngcǎo)と呼ばれている。生薬としては日本でも莽草(ボウソウ)の名称を使う。