天地開闢 解説



自分達の世界がどのようにして生まれたか。このことは古代人にとっても大きな問題であった。『古事記』、『日本書紀』の最初の部分は世界誕生のころの物語となっている。しかし、『古事記』と『日本書紀』との間で、物語の内容は相当に異なる。さらに、『日本書紀』の中でも、「本文」といわれる部分の他に「一書」と呼ばれる異説の部分がある。このようにして、世界誕生の神話は1つに定まっていない。



中国思想の影響

日本書紀』の冒頭「古(いにしえ)に天地未だ剖(わか)れず、陰陽分れざりしとき……」は中国の古典の『淮南子(えなんじ)の「天地未だ剖(わか)れず、陰陽未だ判(わか)れず、四時未だ分れず、萬物未だ生ぜず……」によっている。