九頭龍伝承 仏教との関連



仏教における九頭ヴァースキ(和修吉。わしゅきつ)である。シェーシャŚeṣa)と同一視されることもあり、須弥山(しゅみせん)を守るとされる。 シェーシャはインド神話に登場するナーガラージャで、カシュヤパ仙とカドゥルーの間に生まれた1000のナーガの1人であり、その姿は千の頭をもつ巨大な蛇とされ、千の頭の一つ一つに卍(まんじ)の印がついている他、イヤリング、王冠、花冠も身につける。



仏教伝播で中国に伝わった際に八大竜王の和修吉竜王となり九頭一神の龍となった。後に神仏習合され九頭龍は仏教と神道を守る神となる。八大竜王は密教の信仰であり、現世利益(げんせりやく)を強く求める密教において九頭は雨乞いをつかさどる神となった。日本の九頭が九頭龍権現と呼ばれる場合の本地仏は弁才天ないし前述の和修吉竜王である。