神としての天狗


として信仰の対象となる程の大天狗には名が付いており、愛宕山(あたごさん、あたごやま)の「太郎坊」、鞍馬山(くらまやま)の「僧正坊」(鞍馬天狗)、比良山(ひらさん)の「次郎坊」の他、比叡山の「法性坊」、英彦山(ひこさん)の「豊前坊」、筑波山(つくばさん)の「法印坊」、大山(だいせん)の「伯耆坊」、葛城山(かつらぎさん)の「高間坊」、高尾山(たかおやま)の「内供坊」、富士山の「太郎坊」、白峰山(しらみねさん)の「相模坊」、等が知られる。滋賀県高島市では「グヒンサン」と言い、大空を飛び、祭見物をしたという。高島町大溝に火をつけにいったが、隙間がなくて失敗したという話が伝わっている。鹿児島県奄美大島でも、山に住む「テンゴヌカミ」が知られ、大工の棟梁であったが、嫁迎えのため六十畳の家を一日で作るので藁人形に息を吹きかけて生命を与えて使い、二千人を山に、二千人を海に帰したと言う。愛媛県石鎚山(いしづちさん、いしづちやま)では、6歳の男の子が山頂でいなくなり、いろいろ探したが見つからず、やむなく家に帰ると、すでに子供は戻っていた。子に聞くと、山頂の祠の裏で小便をしていると、真っ黒い大男が出てきて子供をたしなめ、「送ってあげるから目をつぶっておいで」と言い、気がつくと自分の家の裏庭に立っていたという。