迎え火と送り火



お盆において、先祖を迎えるこの御招霊の迎え火と再びあの世に帰る際の送り火のいずれかが行われる事が多く、両者とも行うとされることはあまり見当たらない。



送り火が家庭の玄関先や庭で行われるものから京都五山送り火(ござんのおくりび)など大規模なものまで現在も行事として行われるが、村落あげての大がかりな迎え火であるこの御招霊の慣習高度経済成長と言われた昭和40年代中頃までで終えている場合が多い。このことは予期せぬ野火に至る恐れがあったり、農家の減少で藁が十分に集められない、若者がサラリーマン化して日程の都合がつかない、ダムの建設で山間部を離れる、過疎化近代化など多くの古来からのそれぞれの地域慣習行事が消えて行く事と共通するものがある。



また、死者の霊そのものを「おしょらい」や「おしょらいさま」と呼び、「御招霊」とは違う漢字の表記の「お精霊」や「お精霊様」とする迎え火や送り火も京都のほか多くの地域で広く行われる。