御招霊(おしょうれい、おしょうらい)



御招霊(おしょうれい、おしょうらい)は、日本盂蘭盆(うらぼん)の年中行事の一つでお盆先祖があの世から帰ってくるとされるものを迎える、または招く迎え火(むかえび)の一つ。ごしょうらいごしょうれいと呼んだり、お招霊とも書かれる。





先祖が帰ってくるのに道が暗いと困るので明かりを持って迎える意味を持っている。迎え火に対して、お盆の後にあの世に戻って行く先祖の霊を送り出す送り火に相対するものである。旧暦7月15日のお盆前の13日に行われた行事で、村落の数人の男子青年がやっと持ち上げられる程の重さの大きな松明(たいまつ)をそれぞれが持ち、大きく振り回して練り歩くものである。直径7-10センチ程の太さ、背丈の1.3-1.5倍程の長さの孟宗竹(もうそうちく、もうそうだけ)稲藁(いなわら)や麦藁の束を縛り付け、火を付けて松明とする。また火持ちを良くするためにの葉なども混ぜることがある。

松明の火の粉も飛び火の用心から川べりで行われたが、あの世である暗い彼岸から三途の川を渡ってこの世に帰ってくる川面を照らす道案内や目印の意味合いがある。血気盛んな若者であり、松明を大きく振り回すのは自然の成り行きでもあるが、風を切って火の勢いを増したり、火が消えないように満身の力で振り回す。大きな松明は燃え尽きるまで10-15分間ほどかかるが若者の年に一度の大仕事でもある。この迎え火を村落の男子の青年以外の者達は離れた場所から見て、皆で共に先祖の霊を招き迎えることとなる。


また、地域によっては大きな松明の周りを小さな松明を持って廻り『御座れ(ござれ)、御座れ』」と叫び、祖先の霊を呼び寄せたとされる。

他には盂蘭盆(うらぼん)年中行事とは別に、先祖水子の御霊みたま)を招き供養することなども御招霊(ごしょうれい)と呼ばれることもある。