富士信仰 トピック
§ 富士山が立地する地域周辺には千居遺跡(せんごいせき。静岡県富士宮市)や牛石遺跡(うしいしいせき。山梨県都留市)など、縄文時代後晩期の祭祀遺跡が複数発掘されている。これらの遺跡には配石遺構(ストーンサークル)を伴う特徴があり、富士信仰に関わるものではないかと学術的に考える意見が存在する。これが正しいとすると、少なくとも縄文時代以前には富士信仰の原型があったこととなる。
§ 駒込富士神社(東京都文京区本駒込)は、最も古い富士講組織の1つがあり、町火消により組織された。初夢で有名な「一富士、二鷹、三茄子」(いちふじ、にたか、さんなすび)は、この駒込富士神社に由来する。神社周辺に鷹匠屋敷があった事、駒込茄子が名産物であった事によるという。この言葉は縁起が良い初夢だとされる一方で、「仇討ち」を示す隠語であるとの説もある。まず「富士」の裾野での曾我兄弟の仇討ち、「鷹」は忠臣蔵での敵役・浅野長矩(あさの ながのり。浅野内匠頭(あさの たくみのかみ))の定紋、「茄子」は鍵屋の辻の決闘の舞台、伊賀上野の名産物をそれぞれ表すといわれる。