マハーバーラタ 神話の受容
東南アジアにおける受容
東南アジアでは『ラーマーヤナ』が王権を強調するものとして翻案され、支配階級のみならず民衆の間でも親しまれているが、『マハーバーラタ』は南インドのドラヴィダ人など周辺諸民族を野蛮人として扱い、パーンダヴァ王家のバラモン・クシャトリヤ階級としての正当性を強調する個所が多かったため東南アジア一般ではあまり普及しなかった。しかしながら、当然ある程度の受容は見られ、インドネシア・バリ島のワヤン・クリットにおいては『ラーマーヤナ』と同じぐらいの頻度で題材に使われることもある。
創作か事実か
『マハーバーラタ』に限らず神話は創作か事実を基にした物語か問題になることが多い。『マハーバーラタ』に記された「インドラの雷」の描写が核兵器を想起させるものである事から、超古代文明の古代核戦争説を唱える者もいる。しかし、創作の場合でも登場人物が神だけに核兵器に匹敵する能力が描写されていたとしても不思議は無いというのが一般的な考え方である。