ハタ・ヨーガ



ハタ・ヨーガサンスクリット हठयोग haṭhayoga )はヨーガの一様式である。別名ハタ・ヴィディヤー (हठविद्या) すなわち「ハタの科学」。

ハタ・ヨーガは半ば神話化されたインドのヒンドゥー教聖者ゴーラクシャターナ が大成したとされる。16世紀の行者スヴァートラーマーナのヨーガ論書『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー』において体系的に説かれた。





“ハタ”はサンスクリット語で「力」(ちから)、「強さ」といった意味の言葉である。教義の上では、「太陽」を意味する“ハ”と、「月」を意味する“タ”という語を合わせた言葉であると説明され、したがってハタ・ヨーガとは陰(月)と陽(太陽)の対となるものを統合するヨーガ流派とされる。

スヴァートマーラーマは、ハタ・ヨーガとはより高いレベルの瞑想、つまりラージャ・ヨーガに至るための準備段階であり、身体を鍛錬し浄化する段階であると説明する。アーサナ(坐法)と、プラーナーヤーマ(調気法)を中心としているが、シャトカルマによる浄化法もよく知られている。健康目的のエクササイズとして20世紀後半に欧米で大衆的な人気を獲得したハタ・ヨーガは、多くの場合、単に“ヨーガ”と呼ばれる。