タンカ 画題 曼荼羅



曼荼羅は仏教の聖典(せいてん)であるタントラに基づいて描かれる幾何学模様である。





時輪曼荼羅(カーラチャクラ曼荼羅)

時輪曼荼羅は時輪(じりん)タントラに基づいて描かれる曼荼羅である。最中央に八葉蓮華(花弁が8枚のハス)が置かれ、その周りを凸型模様を組み込んだ四角形に3重に囲まれている。それぞれの凸模様の外側には3階建ての建物が描かれており、これは門である。つまり四角形は壁である。最中央に到達するには3つの門をくぐる必要がある。門の建物の中に菩薩忿怒尊(ふんぬそん)などが描かれる。最外壁の周りは4重の円で囲まれている。内側から地、水、火、風を表す。つまり地水火風(ちすいかふう)である。火風の輪にまたがって、八大屍林はちだいしりん。8つの墓場である暴虐(ぼうぎゃく)、密叢(みっそう)、金剛炎(こんごうえん)、骨鎖(こっさ)、吉祥(きっしょう)、幽暗(ゆうあん)、囀囀(てんてん)、狂笑(きょうしょう)が書かれる。屍林と屍林の間には法輪(ほうりん)蓮華が描かれる。地水火風の輪の外側には金剛杵(こんごうしょ)の輪、その外側には炎の輪が描かれる。




薬師曼荼羅

中心に薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)本願功徳経の経本が置かれており、その周りに八仏薬師が置かれ、その周りに16大菩薩、さらにその周りに24の護法尊などが置かれる。四つの門は四天王が護っている。最上部の9人は祖師(教祖)、尊師(重要な僧)などである。



法身普賢曼荼羅

中央の四角の周りを5つの四角が取り囲んでいる。つまり6つの小曼荼羅を内包したものであり、六族平等を説く一切仏相応瑜伽(いっさいぶつそうおうゆが)タントラに基づいたものである。小曼荼羅に中央の人物と周りに8人の人物が描かれている。8人の人物の箇所には聖瓶が描かれることもある。




ヴァジラヴァーラーヒー曼荼羅




ヴァジラヴァーラーヒーはヘーヴァジラの妃であり、ヒンドゥー教の神でもある。中央の人物がヴァジラヴァーラーヒーであり、2重の三角形が組み合わされ、その周りを円で囲んでいる。