六時礼讃(ろくじらいさん)



六時礼讃(ろくじらいさん)とは、浄土教における法要のひとつ。中国の僧 善導の「往生礼讃偈(おうじょうらいさんげ)に基づいて1日を6つに分け、誦経(読経)、念仏、礼拝を行う。鎌倉時代には浄土宗の開祖 法然が礼讃に節をつけ、念仏三昧行のひとつとして完成させた。


天台声明を基にした美しい旋律が特徴で、後半になるにしたがい高音の節が荘厳さを増す。そのことが承元の法難(建永の法難)を招く原因ともなった。現代では浄土宗時宗浄土真宗が法要に盛んに用いる。親鸞正信念仏偈は六時礼讃にヒントを得て作製されたといわれる。



六時

六時とは、一般に以下の6つの区分をいう。

1 日没(にちもつ) - の刻

2 初夜(しょや) - の刻

3 中夜(ちゅうや)又は半夜(はんや) - の刻

4 後夜(ごや) - の刻

5 晨朝(じんじょう・しんちょう) - 辰~巳の刻

6 日中(にっちゅう) - の刻


§ 「四六時中」の語源の一説に、「四時(早晨・午時・晡時・黄昏)と六時をあわせたもの」がある。

§ 六時に分けて法要を勤める形式は、浄土教に限らず東大寺修二会(しゅにえ)などでも見られる。



音楽作品

§ 合唱曲(混声)「礼讃Ⅰ・Ⅱ」

(詞:往生礼讃偈・礼讃文、作曲:大谷千正(おおたに せんしょう)