三帖和讃(さんじょうわさん)



三帖和讃(さんじょうわさん)とは、親鸞の著作である『浄土和讃(じょうどわさん)、『高僧和讃(こうそうわさん)、『正像末和讃(しょうぞうまつわさん)の総称である。南北朝時代には、この総称が用いられるようになる。高田派(たかだは)では、『皇太子聖徳奉讃』(こうたいし しょうとくほうさん)75首を加えて「四帖和讃」と総称することも。三帖和讃は1953年昭和28年)11月14日、国宝に指定された。


親鸞は、晩年まで加筆、再訂する。真跡本は、完全なものは発見されていない。専修寺(せんしゅうじ)蔵の「国宝本」に一部が真跡と認められる限りである。「文明本」など書写本が数多く残る。書写する際に加筆・再訂され、和讃数や順序などが写本により異なる。後に本願寺第八世 蓮如(れんにょ)によって「正真念仏偈(しょうしんねんぶつげ)とともに「三帖和讃」(文明本)が開版され、門徒の朝夕の勤行に用いられるようになる。





浄土和讃

浄土和讃』(じょうどわさん)1巻は、宝治(ほうじ)2年(1248年)頃の著作と言われる。「三帖和讃」の一つ。

118首の和讃からなる。



高僧和讃

高僧和讃』(こうそうわさん)1巻は、『浄土和讃』と同じく宝治2年(1248年)頃の著作と言われる。『浄土高僧和讃』とも言う。「三帖和讃」の一つ。

親鸞が選定した「七高僧」を讃える119首の和讃からなる。



正像末和讃

正像末和讃』(しょうぞうまつわさん)1巻は、正像末法和讃とも言う。正嘉(しょうか)元年(1257年)頃の著作と言われる。「三帖和讃」の一つ。

全部で116首の和讃からなる。