全日本仏教会(ぜんにほんぶっきょうかい)



財団法人全日本仏教会(ぜんにほんぶっきょうかい)は、日本仏教諸宗派(2010年現在58宗派)によって合同で設立された伝統仏教を代表する財団法人。略称は「全仏」(ぜんぶつ)。「ぜんふつ」は誤読。

会長職は各派の管長が2年交代で務める。2011年1月現在の会長は臨済宗妙心寺派管長の河野太通(こうの たいつう)




明治33年(1900年)に設立された国家の宗教統制に反対して結成された「仏教懇話会」(ぶっきょうこんわかい)に淵源を持ち、昭和32年に友松円諦(ともまつ えんたい)が中心となって再組織化し、現在の名称に改称した。

その結成の経緯から基本姿勢はハト派リベラルであり、革新政党や市民団体といった党派活動にビラ配りや街頭デモへの参加といった形で積極的に参加する僧侶も多く、更には政権与党との繋がりも一定の形で保たれている為、一部で神社本庁連合経団連同様のロビー、圧力団体であるという指摘が存在する。しかし税制面での優遇維持や寺院、墓地経営の基盤確保といった商業的主張や「歌謡曲の歌詞や小説の世界観、人物の台詞などでの仏教の教義面で違和感を覚える箇所への苦言」といった本団体の性質上どうしても避けられない主張などを除いては、世論形成過程、福祉行政や人権政策等といった地方行政への露骨な介入、強引な影響力行使は少なく、一定の不偏不党の体勢が保たれているといわれる。



政治的な主張としては、内閣総理大臣の8月15日に合わせた靖国神社参拝への強い反対表明、戦時中の国家による宗教統制に反対した僧侶・在家信徒(この中には主戦論者だった者も少なくない)への活字や放送を通じた顕彰などを行っているが、これらについては信仰の本分から逸脱した宗教の政治介入・言論介入として、一般のみならず(内部的な反発も含め)宗教サイドからも反発を受けることがある。

その名称から、医師会弁護士会と同様、日本の仏教諸宗派・寺院全てが加盟しているという誤解を受けがちだが、実際には全仏に加盟していない宗派・単立本山寺院も数多く存在する。