彩雲(さいうん)



彩雲(さいうん)は、太陽の近くを通りかかったが、緑や赤に彩られる現象である。瑞雲慶雲景雲などともいう。


この現象は、日光が雲に含まれる水滴で回折し、その度合いが光の波長によって違うために生ずるもので、大気光象(たいきこうしょう)の1つである。巻積雲高積雲、風で千切られた積雲などに見えることが多い。





類似の現象

日の高い季節の昼間に太陽の下方に現れるやや上に反った水平な虹色の弧が彩雲として参照されることも多いが、これは「環水平アーク」と呼ばれる現象で、雲の中の氷晶により見られるものである。





瑞相

彩雲は昔から吉兆とされるが、実際はありふれた気象現象である。古くから、景雲(けいうん)や慶雲(けいうん)、また瑞雲(ずいうん)などとも呼ばれ 、仏教などにおいては「日暈(ひがさ、にちうん)などとともに、寺院の落慶(らっけい)入仏開眼(にゅうぶつかいげん)法要などには「五色の彩雲」等と呼ばれ、よく発生する現象として知られる。

また、西方極楽浄土から阿弥陀如来が菩薩を随えて、五色(ごしき)の雲に載ってやってくる来迎図などにも描かれており、瑞相(ずいそう)の一つとして知られる。