灯籠流し(とうろうながし)



灯籠流し(とうろうながし)または精霊流し(しょうりょうながし)は、死者の魂を弔って灯籠(灯篭)やお盆供え物を海や川に流す日本の行事。灯篭流しとも表記する。



一般的には、お盆の行事送り火の一種である。しかしながら、「お盆」時期についての解釈が地方によって異なることや、特別の追悼行事として行う場合もあり、日本全国で一斉に行われるわけではない。また、灯籠流しを行わない地域も多い。雛祭りの原型とされる流し雛(ながしびな)の行事との類似性が指摘される。

近年は海や川の汚染が問題になり、灯籠をそのまま海に流すことは昔と比べると少なくなっている。自治体が放流を禁じている例もある。その場合は、川の下流などで灯籠を回収したり、河川敷や海岸に集め回収することになる。しかし、費用の問題から回収せずにそのまま流してしまう例も少なくない。熊本では平成6年から熊本城長塀前の坪井川でボランティアグループ「熊本城 城下町精霊流し市民の会」が精霊流しを行っている。



長崎県の精霊流し(しょうろうながし)は、他の地域と異なる派手な行事で、さだまさしによる音楽・小説・映画TVドラマなどでも有名である。

新潟県長岡市の柿川(かきがわ)精霊流しは、昭和20年8月1日の長岡空襲による戦災殉難者を慰霊するために、(社)長岡青年会議所の主催で毎年8月1日(2012年で第29回を迎える)に行なわれている。