仏壇 荘厳
仏壇の内部及び、その周りに仏具を厳かに飾ることを、荘厳(しょうごん)という。仏像もしくは掛軸の本尊を祀る。本尊は祀る対象のものであり、仏具とは呼ばない。そもそも仏壇とは本尊を祀ったものであり、本尊を入れる前のものは家具と同じであり、本尊を安置し、仏具によって荘厳して初めて仏壇としての機能を果たすことになる(ただし、それは小型寺院としての起源から見たものであり、供養壇という観点から見れば、位牌や写真を入れて故人を祀っているものも仏壇に含まれる)。
仏具の例
各宗派共通
灯篭(とうろう)・三具足(五具足)・花立(はなたて)・香炉・火立・仏飯器・鈴(りん)・打敷(うちしき)・過去帳(かこちょう)・見台(けんだい)(過去帳台)・経机(きょうつくえ)・香合(こうごう)など。
浄土真宗系のみ
華瓶(けびょう)・火舎香炉(かしゃごうろ)・供笥(くげ)・輪灯(りんとう)・法名軸(ほうみょうじく)など。
それ以外の宗派のみ
茶湯器・高杯(たかつき、たかはい)・霊供膳(りょうぐぜん)・(木魚・鉦吾(しょうご)・木鉦(もくしょう))など。
仏具の内容は宗派により異なる。また同じ名前の仏具でも宗派により形や色が違う。浄土真宗系は黒塗り・紺系、他宗は朱塗り・朱色系のものが使用される。
入れるべきではないとされるもの
以下のものは仏壇に入れるべきではないとされる。
写真
各宗派とも教義上、写真を飾る教えはない。仏壇のもととなった寺院の本堂は浄土を表したものあり、内陣も故人の写真を飾っておらず、仏壇もそれに倣い飾らない。写真は姿を記憶にとどめるための道具であり、それ以上のものではないので、供えないとされる。ただし、実際は故人の葬式時の小さい写真を入れている家庭がほとんどである。
他宗派の仏像
別途、厨子などに祀る。
お守り、御札(おふだ)
身に着けるか、別途祀る。
賞状、合格通知
仏教は本来「ご利益信仰」では無いという観点から見れば祀るべきではないが実際には仏尊や先祖への感謝などの気持ちで地方の旧家等も含め仏壇に祀ることは多い。