日本の伽藍



7世紀後半-8世紀の主要寺院の伽藍配置は次のようになっている。




§ 川原寺かわらでら。飛鳥)-中門を入ると正面に中金堂、左に西金堂、右に塔が建つ1塔2金堂の左右非対称の伽藍配置で、飛鳥寺(あすかでら)伽藍配置の東金堂を省略したものとも考えられる。



§ 法隆寺西院-7世紀末から8世紀初頭にかけて再建された法隆寺西院伽藍は、回廊内の左に塔、右に金堂が建つ。近隣の法輪寺(ほうりんじ)も同様の伽藍配置で、これを「法隆寺式伽藍配置」という。これとよく似ているが塔と金堂が左右逆に位置するものが「法起寺(ほうきじ)式伽藍配置」である。



§ 薬師寺- 藤原京から平城京へ移転した寺院だが、どちらも伽藍配置は同じで2塔1金堂式であり、東西の塔は回廊の内側に建つ。



§ 東大寺-やはり2塔1金堂式だが、東西の塔は回廊の外に建つ点が薬師寺と異なる。



§ 大安寺(だいあんじ)-もとは飛鳥にあって「大官大寺」と呼ばれ、塔は1基で、薬師寺式の西塔を略した形と見られる。平城京に移転して「大安寺」となってからは東西両塔が建つが、塔の位置は南大門よりさらに南側で、伽藍の中心部からかなり離れた位置である。