因果の道理(いんがのどうり)
因果の道理は仏教の根本的な教理である。「因果律」(いんがりつ)・「因果論」(いんがろん)とも言われ、釈迦が発見した「大宇宙の真理」とされる。日本をはじめ東洋諸国では倫理や道徳の根拠にもなっている。
因果の道理こそ、釈尊がえた仏陀の悟りの内容である。「因果」とは原因と結果の関係、人の幸福、不幸が何によって起きるか、その因果律をいう。また「道理」とは、三世(過去世、現在世、未来世)十方(東西南北上下四維)において変わらぬ真理をいう。すなわち、苦悩の解決をあらわした普遍的真理である。
§ 善因善果(ぜんいんぜんか)
§ 悪因悪果(あくいんあっか)
§ 自因自果(じいんじか)
「因」とは、我々が、心に蒔(ま)く「思い」という種である。その種が、口や身体の「行為」へと生長する。これを「心口意の三業」と言う。
「果」とは、私自身の幸不幸である。因であるところの「思い」の種が生長し、行為となり、さらには私の外的環境の「花」を咲かす。そこから収穫される「実」が「果」である。甘い実、苦い実がある如く。蒔いた種に応じて 幸不幸がある、ということ。
因果の道理とは、我々の運命は何によって決まるのかを教えられたものである。