法王(ほうおう) (仏教)
法王(ほうおう)は宗教上の最高指導者などに用いられる呼称。以下に示すように、様々な用法がある。
仏教
仏教における法王は、漢訳の法華経などに登場する仏教用語で、釈迦(ゴーダマ・シッダルタ)や如来(仏陀)などの、仏法におけるかしら。
チベット
チベット仏教においては、その最高指導者であるダライ・ラマのことを法王と称する。クンドゥン(Kundun)(「存在」、または「尊きもの」の意)ともいう。
日本
聖徳太子が後世「法王」と称せられたことがあり、太子の伝記のひとつは『上宮聖徳法王帝説』(じょうぐうしょうとくほうおうていせつ)と名付けられている。
766年称徳天皇は道鏡に対して法王の称号を授けた。これは、俗界は天皇が、宗教界は法王がそれぞれ支配するということを意味する。しかし、称徳天皇崩御によって道鏡が失脚したことにより、この称号は廃された。
出家した太上天皇(だいじょうてんのう、だじょうてんのう)(上皇)を指して「法王」という用例も見られるが、これは「法皇」とする方が通例である。