大乗非仏説(だいじょうひぶっせつ)



大乗非仏説(だいじょうひぶっせつ)とは大乗仏教の経典は、釈尊の説いたものではなく、後世に作られたものだという説。




日本では、仏教は江戸時代に寺請け制度で権力の一翼を担い堕落していた幕末において、仏教に批判的な思想家等によって展開された。 明治維新以降は西洋の仏教研究が日本に流入し、その影響も受けた。

江戸時代の富永仲基(とみなが なかもと)加上説(かじょうせつ)や、明治期の村上専精(むらかみ せんしょう)などの学者による「大乗非仏説論」などが有名である。



仏教内部においては部派仏教の側から、「経典捏造による謗法」や「仏教教義からの逸脱」として、歴史上たびたび批判されてきた。

仏教の経典に対する文献学的研究では、大乗仏教の経典は釈尊の般涅槃(はつねはん)から数百年後に編纂され、釈尊に仮託された思想文学であるという結論が支持されている。 また、徐々に成立した仏教思想史の一環として大乗仏典を捉える見方が一般的になっている。