仏説無量寿経
§ 『仏説無量寿経』2巻
曹魏(そうぎ)の康僧鎧(こう そうがい)訳…「魏訳」
§ 漢訳のうち日本の浄土教諸宗において主に用いられるのは、康僧鎧が訳したとされる『仏説無量寿経』2巻である。浄土教諸宗において「無量寿経」といえば、特に注意書が無い場合は、康僧鎧訳の『仏説無量寿経』を指す。
§ 上下巻の2巻からなるため『双巻無量寿経』(『雙巻無量壽經』)、『双巻経』(『雙巻經』)とも呼ばれる。また、経名に「大」の字を冠して『大無量寿経』と称し、略して『大経』とも称する。
§ 日本の浄土教の根本聖典の一つで、『仏説観無量寿経』(畺良耶舎訳)、『仏説阿弥陀経』(鳩摩羅什訳)とともに「浄土三部経」と総称される。
§ 浄土真宗の宗祖とされる親鸞は、この経典を特に重んじ、、浄土真宗の最重要経典である。また「浄土三部経」の中でも、『大無量寿経』を根本経典と位置付けている。
§ 『大正蔵』第12巻 P265~279。
§ 原文の経題の表記は、『佛説無量壽經卷上』・『佛説無量壽經卷下』 曹魏天竺三藏康僧鎧譯。
§ 訳者に関しては、様々な説がある。一般の経典には、「曹魏天竺三蔵康僧鎧訳」と書かれている。
§ 「魏訳」の特徴として、「自然」「無為」「清浄」など、曹魏・西晋時代の老荘(ろうそう)思想ないし道鏡と共通する用語が多く見え、それらの影響が強く反映されている。