金毘羅権現(こんぴらごんげん)
金毘羅権現(こんぴらごんげん)は、琴平山(ことひらやま、象頭山・ぞうずさん)の山岳信仰と修験道が融合した神仏習合の神であり、十一面観音を本地仏とする。神仏習合では香川県琴平町の象頭山に鎮座する金毘羅大権現とされ、神仏分離・廃仏毀釈が行われる以前は、讃岐国象頭山松尾寺金光院(現在の香川県琴平町の金刀比羅宮)を総本宮とする日本全国の金毘羅宮(こんぴらぐう)、金毘羅権現社で祀られていた。
由来
象頭山松尾寺の縁起によれば、大宝年間に修験道の役小角(えんのおづの、神変大菩薩)が象頭山に登った際に天竺毘比羅(びひら、インドのビハール州)霊鷲山(りょうじゅせん、象頭山)に住する護法善神金毘羅(宮比羅(くびら)、クンビーラ)の神験(しんけん、神の霊験)に遭ったのが開山の由来との伝承から、これが象頭山金毘羅大権現になったとされる。象頭山金毘羅大権現は、十一面観音菩薩を本地仏とした。
クンビーラ(マカラ)は元来、ガンジス川に棲む鰐(ワニ)を神格化した水神で、日本では蛇型とされる。クンビーラ(マカラ)はガンジス川を司る女神ガンガーのヴァーハナ(乗り物)でもあることから、金毘羅権現は海上交通の守り神として信仰されてきた。特に舟乗りから信仰され、一般に大きな港を見下ろす山の上で金毘羅宮、金毘羅権現社が全国各地に建てられ、金毘羅権現は祀られていた。
真言
オン クビラヤ ソワカ