荼枳尼天(だきにてん)
荼枳尼天(だきにてん)は、仏教の神(天)。インドのヒンドゥー教の女鬼(半女神)に由来する。
「荼枳尼」という名は梵語のダーキニー(英字:Dakini)を音訳したものである。また、荼吉尼天、吒枳尼天とも漢字表記し、吒天(だてん)とも呼ばれる。一般に白狐(しろぎつね)に乗る天女の姿で表され、剣、宝珠(ほうじゅ)、稲束、鎌などを持物(じもつ)とする。
荼枳尼”天”とは日本特有の呼び方であり、中国の仏典では”天”が付くことはなく荼枳尼とのみ記される。ダーキニーはもともと集団や種族をさす名であるが、日本の荼枳尼天は一個の尊格を表すようになる。稲荷信仰(いなりしんこう)と集合し、今日、寺院の鎮守(ちんじゅ)稲荷の多くは荼枳尼天を御神体とする。