本尊(日蓮正宗)



日蓮正宗本尊(ほんぞん)は、本門戒壇之大御本尊(ほんもんかいだんのだいごほんぞん、通称・板曼荼羅)という。また、一閻浮提総与(いちえんぶだいそうよ)の大御本尊とも呼ばれ、日蓮正宗の伝承では宗祖日蓮が楠樹(くすのき)に図顕(ずけん)し和泉公日法師が彫刻したとされているものである。中央に南無妙法蓮華経の題目(だいもく)、題目の下に日蓮の花押(かおう)、題目の周囲に諸尊を勧請し、四隅に四大天王、左右に不動(ふどう)愛染(あいぜん)梵字が書かれているのが特徴である。また、本門戒壇之大御本尊には、「本門戒壇」(ほんもんかいだん)「願主弥四郎国重」(がんしゅやしろうくにしげ)や「法華講衆等敬白」(ほっけこうしゅとうけいびゃく)などと添書きがなされている。


日蓮正宗の末寺には、法主が本門戒壇之大御本尊を書写した曼荼羅御本尊が安置され、信者にも、法主(ほっす・ほっしゅ)が本門戒壇之大御本尊を書写したという曼荼羅が下附される。