宗派・日蓮宗(しゅうは・にちれんしゅう)



近代では、1872年(明治5年)の教部省(きょうぶしょう)布達「一宗一管長」制に基づいて成立した教団に端を発する。

これには、現在の日蓮正宗(にちれんしょうしゅう)や法華宗陣門流(ほっけしゅうじんもんりゅう)など、日蓮門下の全門流が帰属した。同制度が1874年(明治7年)に緩和。この日蓮宗日蓮宗一致派日蓮宗勝劣派に分かれ、前者は釈尊を本仏とする一致派の統一教団として再組織された(ただし、不受不施派の日奥(にちおう)門流、不受不施講門派を除く)。

1876年(明治9年)、日蓮宗一致派が、日蓮宗と改称することを許される。





宗教法人・日蓮宗


1941年(昭和16年)、時局緊迫を理由に諸宗教、諸宗派の統合を迫る政府当局の指導を受け、「釈尊を本仏とする勝劣派」である顕本法華宗(日什(にちじゅう)門流)、「日蓮を本仏とする勝劣派」である本門宗(日興(にっこう)門流)と、(旧称日蓮宗一致派)が、形式上、それぞれの宗派を解消して対等の立場で合併(三派合同)し発足。

身延山久遠寺(くおんじ)を総本山とし、宗務院を池上本門寺(東京都大田区池上)に置く日蓮系諸宗派中の最大宗派。祖山1(総本山)、霊跡寺院14(大本山7、本山7)、由緒寺院42(本山42)、寺院数5,200ヶ寺、直系信徒330万人。

中世期に成立していた門流の多くと、思想的潮流の相当部分を包含する。 なお、日什門流・日興門流は、門流に所属する寺院の一部のみが日蓮宗に帰属している。

また、上記とは別に宗教法人法施行以降身延祖廟に帰正すべく法華宗三派等日蓮系宗派寺院からの散発的な日蓮宗への改宗が現在も続いている。