日本における臨済宗
宗門では、ゴータマ・シッダッタの教え(悟り)を直接に受け継いだマハーカーシャパ(迦葉、かしょう)から28代目のボーディダルマ(菩提達磨)を得てインドから中国に伝えられた、ということになっている。その後、臨済宗は、宋時代の中国に渡り学んだ栄西(えいさい、ようさい)らによって、鎌倉時代に日本に伝えられている。日本の臨済宗は、日本の禅(ぜん)の宗派のひとつである。師から弟子への悟りの伝達(法嗣、はっす)を重んじる。釈迦を本師釈迦如来大和尚と、ボーディダルマを初祖菩提達磨大師、臨済を宗祖臨済大師と呼ぶ。同じ禅宗の曹洞宗が地方豪族や一般民衆に広まったのに対し、臨済宗は時の武家政権に支持され、政治・文化に重んじられた。その後時代を下り、江戸時代に白隠(はくいん)禅師によって臨済宗が再建されたため、現在の臨済禅は白隠禅ともいわれている。
室町幕府により保護・管理され、五山十刹(ござんじっせつ)が生まれた。