一行(いちぎょう、いっこう)



一行(いちぎょう、いっこう、諡号:大慧禅師、683年727年)は、中国唐代であり、天文学者でもある。俗名は張遂則で、大衍暦(たいえんれき、だいえんれき)を編纂した。



683年に魏州昌楽県(現在の河南省)、一説には巨鹿きょろく、現在の河北省)に生まれる。天台教学密教天文学暦学を学び、善無畏と共に『大毘盧遮那成仏神変加持経』7巻を翻訳し、内容を『大日経疏』20巻としてまとめた。善無畏・金剛智(こんごうち)から密教を学んだ。真言八祖(伝持の八祖)の一人。

また、それまで使用されていた麟徳暦(りんとくれき)日食予報に不備があるため、梁令瓚(りゅう れいさん)と共に黄道游儀水運游儀水力天球儀)を作成して天体観測を行い、更に南宮説と共に北は鉄勒(てつろく)から南は交州(こうしゅう)に至る大規模な子午線測量を行って、緯度差1度に相当する子午線弧長が351里80歩(約123.7km)という結果を算出し、それらの観測結果に基づいて『開元大衍暦』(かいげんたいえんれき)52巻を作成した。