釈迦金輪(しゃかきんりん)
釈迦金輪は、釈迦如来所変の仏頂尊とされる。三昧耶形は八輻輪(8本のスポークのある輪宝(りんぽう、法輪))。種子はボロン(bhruuM)。
その姿は、実際の造形例では螺髪(らほつ)の通常の如来形で赤い衣服を纏う。印相は定印にしてその両手の上に輪宝を乗せ、須弥山(しゅみせん)の上の月輪(がちりん、全身を取り囲む白い光背)または日輪(にち赤い月輪)の中に座しているものが多い。また、光背の周縁に輪宝を巡らせてある場合もある。
一方『陀羅尼集経第一』(大正新脩大蔵経No.901)には「体色は金色で七宝冠を戴き全身から光を放つ。印を結んで七宝で飾られた蓮の花の上に結跏趺坐(けっかふざ)する。座っている蓮華の下に輪宝、さらにその下に宝池(ほうち、極楽浄土にあるという八功徳水をたたえた池)がある」と記されている。
釈迦金輪はその輪宝で九曜等の天体神を折伏するとされ、宿曜道(すくようどう)では凶星のもたらす災いを避ける修法(しゅうほう)の本尊として重視される。