金光明経（こんこうみょうきょう）
金光明経（こんこうみょうきょう）は、4世紀頃に成立したと見られる仏教経典のひとつ。大乗経典に属し、日本においては法華経・仁王経（にんのうきょう）とともに護国三部経のひとつに数えられる。
内容
主な内容としては、空（くう）の思想を基調とし、この経を広めまた読誦して正法をもって国王が施政すれば国は豊かになり、四天王をはじめ弁才天や吉祥天、堅牢地神（けんろうじしん）などの諸天善神が国を守護するとされる。
漢訳
この経典の漢訳については、曇無讖が412年から421年頃にかけて漢訳した「金光明経」4巻、宝貴などが597年に編纂した「合部（ごうぶ）金光明経」8巻、唐の義浄（ぎじょう）が自らインドから招来した経典を新たに漢訳した「金光明最勝王経」などがあり、「大正」経集部に所収されている。
日本への伝来
日本へは、古くから金光明経（曇無讖訳）が伝わっていたようであるが、その後8世紀頃義浄訳の金光明最勝王経が伝わり、聖武天皇は金光明最勝王経を写経して全国に配布し、また、741年（天平13年）には全国に国分寺（こくぶんじ）を建立し、金光明四天王護国之寺と称された。